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家に帰ると、教授の寝床であったダンボールやら汚れた布団やら食べかけの缶詰やらが残っていて、虚無感と喪失感にひどく苛まれた。

しかも、次の週はゼミの発表である。
現実が戻ってくると同時に、あの猫は幻だったんじゃないか、なんて思ったりもした。





短い間ながら猫を飼ってみて、あのときのことを振り返る。

猫を拾ったその日から、自分の行動やエネルギーの矛先がすべて「猫の為」になっていた。
教授のためならどんなにめんどくさいことでもやれる気があったし、自分のことを犠牲にしてでも教授の世話をしていたように思う。

実際、教授を拾ってから引き渡すまでの3日間は1日1~2時間程度しか眠らなかったし(それも眠かったのではなくそろそろ寝ないとまずいかな、という義務的な睡眠だった)、飯も二日目にカップラーメンを1個食べただけだった。
今考えると頭がおかしいのだが、このときは眠いとも腹が減ったとも思わなかったし、それよりも教授が腹を空かしていないかのほうが重大な問題だった。

音楽も聴かなかったし、当然勉強もしなかった。


よく、赤ちゃんを持つお母さんが体を壊してまでも子供の世話をしてしまうなんて聞くけれど、本当にその気持ちがわかったような気がする。
将来子供を持つかどうか怪しいが、10年先回りして子育てを経験してしまったみたいである。
無論、猫の子供だからまだよかったものの人間の子供を育てるとなったらこれの比ではないんだろうな、とは思うけれど。





教授が捨て猫だったのか野良猫だったのかははっきりとわからないけれど、あんなにも毛が綺麗で病気にもかかっておらず、初対面の人間に対してやけに人懐っこいところを見るとやっぱり捨て猫なんじゃないかという憶測は捨てきれない。

教授を捨てたアホ飼い主がいるとしたらいますぐ会ってぶん殴りたい気分でいっぱいなのだけれど、本当に、動物を飼うならそれ相応の責任を負って、繁殖させる気が無いならそれなりの対策を取れと、至極当たり前の言葉しか出てこない。

教授はある意味で幸運だった。
いい里親さんに引き取ってもらうことができた。

しかし大抵の猫は里親を見つけようと思っても見つけられず、最悪の場合は保健所行きである。
そもそも捨てられる猫のうち誰かに拾われる猫すらも少数派で、拾われずに野生化した猫はその半数が死ぬ運命にあるし、死ななかったとしてもほぼ100%の猫が感染症や虫害に苦しむのである。



捨てる側はポンと捨てるだけだから楽である。あとは忘れてのほほんとするだけだ。
しかし捨てられる側はたまったもんじゃない。
捨てることによって発生する自分以外への不利益、特に捨てられた動物が受けるであろう悲惨な運命をもっと考えとけ馬鹿野郎という話である。
そしてそれが考えられないというのなら動物なんか飼うなという話である。



以上が教授を保護した3日間で思ったことである。
なんでこんなに長々と日記を書いたのかというと、もはや自分の記憶の中で幻と化している3日間の思い出を文章の形で残しておいて、当時思ったことや考えたことを風化させないようにしとこうと思ったからである。


かといってFBやTwitterで見せびらかすほどのものでもないので、特に誰も見てなさそう、あるいは物好きな人が1人2人見てるくらいなこの場所に置いとこうと考えた次第である。



誰だかわからないけどちょこちょこ観に来てくださってる方、ありがとうございます。
今後もルネサンスをよろしくね。ばいびー。

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