6月下旬くらいに書いてたんだけどデータふっ飛ばしてしまってしばらく放置してました()
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そんなわけで里親は見つかった。
名乗りを挙げてくれたその人は僕と同い年で、京都でお婆さんと2人で暮らしているらしく昼間はお婆さんが面倒を見てくれるとのことだった。
まだまだ身辺の世話の必要な猫にとってはこれ以上無いくらい好条件だ。
手放したくないという気持ちもありながらこれだけの条件ならやむを得まい、と思いながら早速アポを取り、それじゃすぐにでもお会いしましょうとのことで2日後の引き渡しが決定した。
ここまで猫を拾ってからわずか2日目のこと。難航すると忠告された里親さがしもこんなにすんなりと終わるとは思わなかった。
この頃になると猫のほうも警戒心を無くして、かなり人懐っこくなってきた。
まず僕が部屋の中で移動すると必ずついてくる。
そして足にしがみついてくる。かわいい。(たまに足の指を噛まれたりするが)
パソコンを触ってたり本を読んでたりすると膝の上に乗っかってくる。
なでてやったりすると喜ぶ。かわいい。
僕は寝る時いつもうつ伏せなんだけど、そうやって寝てると背中に乗っかってくるか腕の間に入ってきて体の隙間で一緒に寝ようとする。くそかわいい。
朝、外が明るくなると自分で起きて、猫パンチで起こそうとしてくる。
僕が気づかずそのまま寝てたら布団の上にフンしてた。これはかわいくない。
ともかく猫が来てから僕の生活は潤いまくりで、生活の中心が猫であるとも言えた。
名前の話。
猫を拾ってからというもの、一度見てみたいといって友人が何人か遊びに来たのだけど、名前が無いといろいろ不便だという意見があって仮名をつけることになった。
その名は「教授」。
センター分けのような顔の模様と鼻の下のちょび髭がいかにも教授っぽいから。
最初はうーん?って感じだったけど呼んでるうちにしっくりきた。お前は教授だ!
個人的には経済学史あたりが専門なんじゃないかと踏んでいる。
僕「教授、道徳感情論と国富論の関係性についてはどのような考えをお持ちですか?」
猫「にー!」
僕「そっかー。」
閑話休題。
そんなこんなで引き渡しの日が来た。
引き渡し先は大学付近の公園で家からは遠いので、寝てるところを見計らってトートバッグに入れ、地下鉄に乗って連れて行った。
約束どおりの場所で教授を膝に乗せて待っていると、仲介してくれたゼミの友人と里親さんが来て、教授氏を一目見た途端「かわいい!」と言ってくれた。
当たり前だ、教授はかわいいのだ。
里親さんは僕と同じ大学の3回生で、優しそうな爽やか大学生という雰囲気があり、話した感じいい人そうだった。
この人なら大切にしてくれるだろう、と思いつつ、仮名は教授だが適当にしっくりくる名前を付けてほしい、それからエサはこれこれで、ワクチンもお願いしたいといったことを伝え、病院で貰ったエサとミルクも引き渡した。
教授は里親さんに抱かれ、「なんで?なんで?」みたいな顔をしている。
残念。僕はお前の親にはなれないのだ。
せっかくいい人にもらわれたんだ、幸せになれよ、
と教授にテレパシーを送りつつ、いつか大きくなったらぜひ会わせてほしいと約束してもらい、別れた。
帰り道ほんのすこし泣きそうだったのは内緒。
その⑥へ。
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そんなわけで里親は見つかった。
名乗りを挙げてくれたその人は僕と同い年で、京都でお婆さんと2人で暮らしているらしく昼間はお婆さんが面倒を見てくれるとのことだった。
まだまだ身辺の世話の必要な猫にとってはこれ以上無いくらい好条件だ。
手放したくないという気持ちもありながらこれだけの条件ならやむを得まい、と思いながら早速アポを取り、それじゃすぐにでもお会いしましょうとのことで2日後の引き渡しが決定した。
ここまで猫を拾ってからわずか2日目のこと。難航すると忠告された里親さがしもこんなにすんなりと終わるとは思わなかった。
この頃になると猫のほうも警戒心を無くして、かなり人懐っこくなってきた。
まず僕が部屋の中で移動すると必ずついてくる。
そして足にしがみついてくる。かわいい。(たまに足の指を噛まれたりするが)
パソコンを触ってたり本を読んでたりすると膝の上に乗っかってくる。
なでてやったりすると喜ぶ。かわいい。
僕は寝る時いつもうつ伏せなんだけど、そうやって寝てると背中に乗っかってくるか腕の間に入ってきて体の隙間で一緒に寝ようとする。くそかわいい。
朝、外が明るくなると自分で起きて、猫パンチで起こそうとしてくる。
僕が気づかずそのまま寝てたら布団の上にフンしてた。これはかわいくない。
ともかく猫が来てから僕の生活は潤いまくりで、生活の中心が猫であるとも言えた。
名前の話。
猫を拾ってからというもの、一度見てみたいといって友人が何人か遊びに来たのだけど、名前が無いといろいろ不便だという意見があって仮名をつけることになった。
その名は「教授」。
センター分けのような顔の模様と鼻の下のちょび髭がいかにも教授っぽいから。
最初はうーん?って感じだったけど呼んでるうちにしっくりきた。お前は教授だ!
個人的には経済学史あたりが専門なんじゃないかと踏んでいる。
僕「教授、道徳感情論と国富論の関係性についてはどのような考えをお持ちですか?」
猫「にー!」
僕「そっかー。」
閑話休題。
そんなこんなで引き渡しの日が来た。
引き渡し先は大学付近の公園で家からは遠いので、寝てるところを見計らってトートバッグに入れ、地下鉄に乗って連れて行った。
約束どおりの場所で教授を膝に乗せて待っていると、仲介してくれたゼミの友人と里親さんが来て、教授氏を一目見た途端「かわいい!」と言ってくれた。
当たり前だ、教授はかわいいのだ。
里親さんは僕と同じ大学の3回生で、優しそうな爽やか大学生という雰囲気があり、話した感じいい人そうだった。
この人なら大切にしてくれるだろう、と思いつつ、仮名は教授だが適当にしっくりくる名前を付けてほしい、それからエサはこれこれで、ワクチンもお願いしたいといったことを伝え、病院で貰ったエサとミルクも引き渡した。
教授は里親さんに抱かれ、「なんで?なんで?」みたいな顔をしている。
残念。僕はお前の親にはなれないのだ。
せっかくいい人にもらわれたんだ、幸せになれよ、
と教授にテレパシーを送りつつ、いつか大きくなったらぜひ会わせてほしいと約束してもらい、別れた。
帰り道ほんのすこし泣きそうだったのは内緒。
その⑥へ。
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「野生に放せば半数が死ぬ」
その日一日中、何度もこの言葉が重く突き刺さった。
野生に放さなかったとしても、保健所に連れて行けばほぼ100%の確率で処分されてしまう。
ぼくが里親を見つけられなければ、そんな残酷な(というかあまりにも残酷すぎる)運命がこの小さな体に待ち受けているのだ。
これまでの人生で経験したことのないくらい、自分に重い責任があることを感じた。
なんとしてでも引き取り手を探さなきゃいけない。
そう思う一方で、心のなかでは猫を手放したくないという気持ちも湧いてた。
拾ってから一日世話してるうちに、猫の方も僕に懐いて横で一緒に寝たり甘えてきたりしてたし、僕の方もまるで自分の子供を持ったかのような、愛情に似た感情を持っていた。
出来ることなら本当にこのまま育ててあげたかったし、正直「友達の知り合い」とか、自分の与り知らないところに引き取られてしまうのは嫌だという気持ちもあった。
猫の立場に立てば、大切に育ててくれる人に引き取ってもらえるなら僕から離れようとまったく関係無いし、むしろ当分一人暮らしで満足に世話も出来ない僕にいつまでも保護されているほうが不幸ですらあるかもしれない。
なのに心の中では、猫を自分の目が届く範囲においておきたいという、自分本位でしかない感情を優先させようとする力が湧いていたのだ。
今考えると、実にアホらしい!
散々Twitterで「子離れできない親は罪だ」とか「過保護な親は子供の幸せよりも自分の満足感を大事にしてるだけだ」なんて言説に「そーだそーだ!」と言いながら嬉々として星を付けたりしてるくせに、いざ自分が親と同じ状況に置かれたらこれだ。
まさに、猫の幸せよりも自分の感情を第一に考えていたのである。
それでも、このときは自分の矛盾した感情にまったく疑いを持っていなかった。
いや、矛盾に気がついてはいたけれど見て見ぬふりをしていたと言ったほうが正しいかもしれない。
どっちにせよ「里親を見つけなければならない、けれども目の届く範囲に置きたい」という条件を満たす最良の解決策は、なんとかして祖父母の家に引き取ってもらうことである。
そして自分の感情の矛盾に気づかない哀れな僕は、さっそく祖父母の家に電話をかけたのである。
祖母「おぅ、どうした?」
ぼく「実は昨日猫拾ってんけど、うちでは飼えんくて・・」
祖母「猫?そんなもんあんた、飼えやへんやろ」
ぼく「そやねん、やから引き取ってくれるところを探しとって・・」
祖母「そうは言うてもなあ~、猫はひっかくやろ、うちではよう飼わんな~」
ぼく「そこをなんとか、他にアテが無いねん・・」
祖母「ほんなら捨てるしかないで、どっか山にでもほるか。御所に置いといたらええがな。」
ぼく「す、捨てるのは出来ん。さすがにかわいそうやし・・」
祖母「ほんなん言うてもあんた、情が移ったらしまいやで~勇気出してほらんと」
ぼく「ええ・・・」
交渉は失敗した。
人(特に孫)に対してはあんなに優しい祖母も、猫に対しては畜生も同然の扱いである。
哀れな僕は、望みが消えてしまったことへの絶望と同時に、簡単に捨てろと言ってしまう祖母の無神経さにも多大なショックを受け、猫を抱きながら人知れず涙した。
実家はダメ。祖父母宅もダメ。
叔母宅は犬飼ってる。
叔父宅は賃貸。
八方ふさがり。
もはや「自分の目の届かないところに引き取られる」シナリオは確実となった。
情がうつってしまったらしまいだ。
まさにこの時の僕は、三重弁で言う「しまい」だった。
そんな折に、ゼミの同期から「友達が飼いたいって!!」と連絡が来た。
僕がアホなことをしてる間に、有力な里親候補が見つかってしまった。
⑤へつづく
その日一日中、何度もこの言葉が重く突き刺さった。
野生に放さなかったとしても、保健所に連れて行けばほぼ100%の確率で処分されてしまう。
ぼくが里親を見つけられなければ、そんな残酷な(というかあまりにも残酷すぎる)運命がこの小さな体に待ち受けているのだ。
これまでの人生で経験したことのないくらい、自分に重い責任があることを感じた。
なんとしてでも引き取り手を探さなきゃいけない。
そう思う一方で、心のなかでは猫を手放したくないという気持ちも湧いてた。
拾ってから一日世話してるうちに、猫の方も僕に懐いて横で一緒に寝たり甘えてきたりしてたし、僕の方もまるで自分の子供を持ったかのような、愛情に似た感情を持っていた。
出来ることなら本当にこのまま育ててあげたかったし、正直「友達の知り合い」とか、自分の与り知らないところに引き取られてしまうのは嫌だという気持ちもあった。
猫の立場に立てば、大切に育ててくれる人に引き取ってもらえるなら僕から離れようとまったく関係無いし、むしろ当分一人暮らしで満足に世話も出来ない僕にいつまでも保護されているほうが不幸ですらあるかもしれない。
なのに心の中では、猫を自分の目が届く範囲においておきたいという、自分本位でしかない感情を優先させようとする力が湧いていたのだ。
今考えると、実にアホらしい!
散々Twitterで「子離れできない親は罪だ」とか「過保護な親は子供の幸せよりも自分の満足感を大事にしてるだけだ」なんて言説に「そーだそーだ!」と言いながら嬉々として星を付けたりしてるくせに、いざ自分が親と同じ状況に置かれたらこれだ。
まさに、猫の幸せよりも自分の感情を第一に考えていたのである。
それでも、このときは自分の矛盾した感情にまったく疑いを持っていなかった。
いや、矛盾に気がついてはいたけれど見て見ぬふりをしていたと言ったほうが正しいかもしれない。
どっちにせよ「里親を見つけなければならない、けれども目の届く範囲に置きたい」という条件を満たす最良の解決策は、なんとかして祖父母の家に引き取ってもらうことである。
そして自分の感情の矛盾に気づかない哀れな僕は、さっそく祖父母の家に電話をかけたのである。
祖母「おぅ、どうした?」
ぼく「実は昨日猫拾ってんけど、うちでは飼えんくて・・」
祖母「猫?そんなもんあんた、飼えやへんやろ」
ぼく「そやねん、やから引き取ってくれるところを探しとって・・」
祖母「そうは言うてもなあ~、猫はひっかくやろ、うちではよう飼わんな~」
ぼく「そこをなんとか、他にアテが無いねん・・」
祖母「ほんなら捨てるしかないで、どっか山にでもほるか。御所に置いといたらええがな。」
ぼく「す、捨てるのは出来ん。さすがにかわいそうやし・・」
祖母「ほんなん言うてもあんた、情が移ったらしまいやで~勇気出してほらんと」
ぼく「ええ・・・」
交渉は失敗した。
人(特に孫)に対してはあんなに優しい祖母も、猫に対しては畜生も同然の扱いである。
哀れな僕は、望みが消えてしまったことへの絶望と同時に、簡単に捨てろと言ってしまう祖母の無神経さにも多大なショックを受け、猫を抱きながら人知れず涙した。
実家はダメ。祖父母宅もダメ。
叔母宅は犬飼ってる。
叔父宅は賃貸。
八方ふさがり。
もはや「自分の目の届かないところに引き取られる」シナリオは確実となった。
情がうつってしまったらしまいだ。
まさにこの時の僕は、三重弁で言う「しまい」だった。
そんな折に、ゼミの同期から「友達が飼いたいって!!」と連絡が来た。
僕がアホなことをしてる間に、有力な里親候補が見つかってしまった。
⑤へつづく
と、いうわけで朝九時、1限のゼミをサボって動物病院へ連れてった。
教授にはちゃんと「猫を保護したので・・」と正直に連絡したけど。
動物病院なんか行ったこともないし、どこがいいとかいう情報も全く無いままとりあえず家から一番近いところを選んだけど、わりと綺麗な病院だったし看護師さんも獣医さんもいい人だった。
体重340gで生後1ヶ月弱、体の異常は特に無し。寄生虫も無し。
一応体の消毒をして、何やら「高級なエサ」も食べさせてもらってた。
医者「生後1ヶ月くらいというと本来はまだ乳を飲んでいる時期やね。これから1ヶ月くらいは一日に4~5回、猫用のミルクと離乳食を与えること。」
ぼく「はい・・」
医者「君ら学生? なら学校行く前にエサあげて、休み時間にでも戻ってきてエサあげて、って感じで大変やと思うけど、役割分担してなんとか世話したってね。」
ぼく「はい・・・」
医者「それから2ヶ月したら必ず血液検査を受けて、ワクチンも打たないかんな。このまま家で飼ってもらうんが一番いいけど、ムリかあ・・」
ぼく「そうですね・・・」
医者「そんなら友達とかあたってなるべく早く里親見つけましょね。なかなか大変やと思うけど・・野生に放してしまうと半数は亡くなってしまうしね。」
ぼく「はい・・・・」
医者「なんかあったらすぐ電話してくださいね。診察時間内なら相談乗れるし。」
ぼく「ありがとうございます」
こんな感じで診察は終了。
診察代とエサ代、ミルク代なんかで5000円だった。ひぐち・・
病院を出たあとは講義があるということで友人とは別れ、いよいよ1人でアパートに持ち帰った。
ここからが本当の試練。
正直言って僕の数少ない友人知人の範囲で引き取ってくれる人を見つけられる気がしなかった。
アパートの管理人にバレるのも時間の問題である。
早急に行動に移さなくては・・。
無邪気にシャツの袖を噛んで遊んでる猫を可愛いと思いながら、こりゃあ大変だ・・と再び頭を抱えるのでありました。
その④へ
鼻の下のひげがチャームポイントらしい。
深夜1時ごろ、終電に乗って友人が来てくれた。
猫にあげる用の卵と我々の食料としてアイスも買ってきてくれた。多謝。
かつて猫を保護したこともあるらしく、猫用ミルクの代わりとして
牛乳と卵黄を混ぜたものをあげたらいい、との情報をくれたので早速つくってあげてみたところ、さっきまで見向きもしなかったのが今度はちゃんと飲んでくれた。
ついで子猫ならゆで卵を食べるという情報もネットで入手したので、これも茹でて潰したものを与えてみたら結構な勢いで食べてくれた。
食べるのが下手なせいで顔面タマゴまみれになってたけど。
とりあえずこれで安心である。
猫の方もさっきまでずっと鳴いてたのに腹がふくれて安心したのか、そのあとは急に静かになってそこらへんで寝始めた。
子猫の寝顔は世界を救うな。
猫が寝静まったあとは、友人と今後のことを話し合ってた。
基本的には、うちに置いておくわけにも捨てるわけにもいかないから引き取り手を探さなきゃいけない。
動物病院は里親探しの仲介をしてくれるところもあるらしいけど、基本的に預かるのはムリ。
猫カフェで育ててくれないかと思ったけど、近隣の猫カフェのHPを見ると引取りは行っていない旨の表示。
京都の動物愛護団体は「現在動物の引き取りは中止しています。」
里親探し用のSNSみたいなのも結構あったものの、募集欄を見る限り見つからないまま募集終了になってる猫が大半だった。
うーん、八方ふさがり。
まぁ、そりゃ簡単に猫を預かってくれるような場所があるなら捨て猫、野良猫なんて問題は発生しないわけで。
なんとかなるだろう、と軽い気持ち(というわけでもないが)で拾ってしまったけれど、
これは大変な試練になりそうだ・・と頭抱えながら夜明けを待つのでした。
③へつづく
月曜日、学校の帰り道でのできごと。
いつも学校のそばの広い公園を突っ切って帰るんですけど、
その日も音楽聴きながらぼんやり歩いてたら、突然足元にワサワサ動くものを感じて。
びっくりして足元見たら、体長20cmくらいの仔猫だったんですよね。
その愛くるしさに悶絶しつつ、
こんだけ小さいとなると近くに親猫がいるんじゃないかと思って
あたりを探してみるも、どこにもいない。
捨て猫かと思いつつ、うちでは飼えないので元いた場所に返して退散しようとするも
こいつ、僕が離れるとちょこちょこついてくる。
待って~~みたいな顔して追いかけてくる。
で、靴の上に乗っかってズボンを噛む。
どうしろというのですか。
仕方なく猫を膝の上に置き、ベンチに座って考えているとオッサンが来まして。
「おぅ、ネコか?」
「はい、くっついてきたんです」
「あ~毛も綺麗やし捨てられたばっかのヤツかもなあ・・」
「捨て猫ですかぁ・・どうしたらいいんでしょう?」
「兄ちゃんに懐いとるし飼うたりや~~」
「そうはいかないんですよねぇ・・」
と、ついでに一応警察と動物病院に連絡してみたら?と提案されたので、
近隣の動物病院に電話してみるも
つながらない。深夜23時ごろだったのでそれはそう。
近くの交番に行ってみたけど「うちではどうすることもできませんねえ~・・」
とやんわり断わられる。
仕方ないので翌日朝イチで動物病院につれてくことにして、一晩家で面倒を見ることに。
といっても僕
生き物に関してはメダカと金魚くらいしか飼ったことなかったので、
猫、それもこんな赤ちゃん同然の子猫の世話に関しては全く未知の世界。
部屋だってお世辞にも「猫の飼育に適していますね」とは言いがたい雑多で埃まるけな空間だし、猫が食べるようなものをストックしているはずもない。
とりあえず「トムとジェリー」の劇中ではよく牛乳飲んでたなあと思い、
冷蔵庫にある「おいしい牛乳」を少し温めてあげてみるも、なんか飲んでくれない。
牛乳を無視して前足を皿に突っ込んでじたばたしようとする。馬鹿野郎。
そうだ食パンもあるぞ!と思って牛乳に浸してあげてみるも、匂いだけ嗅いで猫パンチ。
・・後に判明したけど牛乳もパンもあまりあげないほうがいいらしい。ごめんよ・・
こんな感じで困っていると、Twitterで事情を知った友人から家に行って何か手伝いましょう、との一報が入った。
ありがたい!
お腹が空いてるのか、知らない場所に連れて来られて不安なのか
ずっとミャーミャー鳴いてる猫をひたすら撫でて落ち着かせつつ、友人の到着を待つのでした。
その1、終わり